「海がきこえる」をついに買ってしまう

初放映時の録画をずーっと持っていたのだが、DVDに焼いたらどっかいってしまった。あのときのジブリ製日テレCM込みで(「進め!青春少年」枠、毎年GWにスペシャルアニメをやっていた)なくなってしまったのは実に残念だけど、CM抜きで見られるし、まあ色褪せもないしね。うん、きっかけは7月半ばに10数年ぶりの再放送があるというニュースなわけです。

海がきこえる [DVD]

海がきこえる [DVD]

この作品が、ジブリ作品というよりちょっと当時のトレンディドラマ寄りのあざとさが注ぎ込まれたジュブナイル原作作品というかんじで、ほぼ大学生以上を対象とした異色のセイシュンものだったということはよく知られているとおもう。若手の作ったこの作品を宮崎氏が気に入らず、また耳をすませばを作るきっかけ?となったともいわれている。

しかしこの作品のよさって空気感なんですよね。絵柄がほどよく調和している。登場人物の薄めの造形が背景の淡い、いかにもセイシュンの思い出という雰囲気に溶け込んで、その中で動いている。この作品の要はデテイルにある。背景となる風景、高知、そしてあの頃の東京・・・今は変わってしまったけど・・・が克明に描写されている。ファンタジーも嘘もない。土佐弁がまたいいんですね。リアリティがあるんです。

もう遠い記憶の世界になってしまったけど、まだ大学生だったころ、新入社員だったころ、そのころの感情を遠く呼び覚ます。DVDで買ってしまったのはそのためでごんす。ただ、当時は「酔った彼女とホテルの一室で一晩過ごすー!」とか、そんな設定にコーフンしていたただの小僧だったんですけどね。それでいいんです。ツンデレという言葉は当時なかったのだな。

氷室先生に合掌。


・・・あ!あと音楽がいい。サントラ探したなあ。なかったけど。